─ 一階・ロッカールーム ─[誰も、アーベルのあの大きくて零れそうな瞳になる事は出来ない。 写真は現像してはじめて、撮影者の視点を他者に伝えるものだ。]随分、散らかって──と、ブリジッド。あそこに居るのは、ハインリヒじゃないか?[そんな事をふと考えたのは、ヘルムートが荷物を探した時よりも更に物が散乱したロッカールームで、立ったまま眠っているハインリヒの姿を見付けた時。]