[「君だ」とライヒアルトが示したのは、カルメン自身だった。>>168思わず目を丸くするが、それも一瞬のことで。] ──……へぇ。そうなの。[頬にかかった髪を気怠げにかきあげ、ライヒアルトに呆れたような視線を向ける。] ……やっぱり、教会の秘術なんて大したことないじゃない。 ばかばかしい。[自分が人間であることは自分が一番よく解っている。]