少しでも救いになったのならば、よかったです。
[そう語る声の様子は偽りのないまっすぐなもの。
逸れる事の無い刃には気付いていなかったが]
どうぞ……、覚悟があるのならば、その刃を向けることは間違いではありません。
[やさしくクロエに諭すように、そう仕向けるかのように語り掛けた]
今ならばそれも、叶いやすいでしょう。
今の私につきはないようですから。
[そして、クロエの方に振り向き微笑みかける慈愛と悲哀に満ちたような様子で]
私も従うだけです。
ライヒ兄さんが、少しでも望むように喜ばせられたら嬉しいです……。
ああ、でも喜ぶとかそういうこととは別のところに……、
もし、私が死んだときには少しでも悲しんでもらえる……かな?
[クロエに問いかけるようで、自問自答のような言葉を紡ぎ、視線だけはクロエに向けたままでいた]