[幸か不幸か、女らしからぬ身長と見た目は男として生きるに支障はでなかった。けれど、それでも。自分が自分として生きられないのは、苦しくて。嫁いだ姉の下を訪れたのは、「アレーナ」に戻ることを決めたと、告げる為だった。何事も無ければ、家に帰って父と母に宣言をして。そしてもう二度と、戻れぬ覚悟で家を出るつもり、だったのに。まさか、こんな『ゲーム』の駒となるなんて、思いもよらず]