─ 客室 ─[緊張から、浅い眠りと覚醒を繰り返していた男の意識を目覚めさせたのは、外から聞こえた叫び声。何事かあったか、と、扉に張り付き息を潜める。とりあえず、男を訪れる者はなく、人の足音や話し声が遠ざかり、静寂が訪れたところで、男は身支度を整えた]……何が起きたかはわからんが……くずぐすしちゃ、いらんねぇな。[とにかく、ここから逃げ出す。道が塞がっている事は聞いていたが、このままここに居るのも危険だ、という警鐘が男を突き動かしていた]