あー……
さっきは邪魔しただけになって、すまんかったのぅ。
[ふと思い出したように向けた謝罪は、レイスだけではなくグレゴリーにも向けたもの。後者の魔人の方は見ていないが。]
まあ、エレちゃんみたいに、狙われた子を庇うことくらいは出来るのかもしれんが、かしかしちゃんの力を防ぐ手立ては、現状ないしのぅ……。
なんだかんだ言っても、レイちゃんに従うしかないかの。
[溜息を吐き出しつつ己の袖口に手を滑り込ませて、小さい葉の付いた一本の細枝を取り出すと、それをレイスへと差し出して]
もし、レイちゃんに自分の意思があるんなら、持っててくれんかのぅ。
なに、御守りみたいなもんじゃ。
[見目にはなんの変哲もない手のひらサイズの小枝は、『木』の気を僅かに纏うだけ。特別、力が篭められている様子はない]