[パソコンルームで起こったことを聞く。
忘れていたこと。どこかでかちりと思い出す]
[IDじゃ、なかった。本名だった。この情況では、ほんの少しの瑕疵でも吊る要因になる。事態は深刻なのに、少しだけ、安堵した。肩が揺れる]
……誰が、そんなこと、仕組んだんだろ
こんな村、入りたくなんか、なかった。
[そうして、横からサクラの台詞が聞こえる。
先ほどから感じていた違和感に、ぴたりと嵌るそれ]
そう。ダミーなんかじゃない。違う。違うの。
(だって、ダミーはどう考えても……)
どうして、どうして――!
[また涙がこぼれそうになって、喉に続きを込める]
[どうしてダミーが死ななかったの。
それは、きっと、ダミーが狼だからじゃないの]