成程な。
矢張りただのチビではなかったか。
[言葉を聞きながら矢張り口許だけで笑い、突き立つ4本の針に眼を遣り。
役目を終えたクッションはぽふん、と音を立てて消える]
目の前にいるというのに分からんか。
お前の目はとんだ節穴だな。
――と。
[足許を薙ぎ払われてバランスを崩し、仰向きに倒れかけ――
先程消えたクッションが、地面に出現した。
それを両足で思い切り踏みつけ、反動で宙へと跳ぶ]
――Die Schere.
[同時、両の手にはそれぞれ鋏が一本ずつ握られる。
右手のものを牽制のように飛ばし、もう片方は両手で握り直しながら、相手の目の前目掛け降下する]