─ 広間→二階 ─
[熱量を摂った事で、また幾分気持ちは鎮まって。
そうなると、気にかかるのはやはり、上がって行った姉の方]
……ちょっと、上、行ってくる。
[どうしたものか、としばし悩んだものの結局、広間にいる人々にこう声をかけ足早に二階へ。
さて、どの部屋に、と廊下を進むと、不自然な開き具合の扉が目に入った。
ちょうど、猫一匹すり抜けられる程度の隙間の開いたそれに、天鵞絨を瞬かせ]
……姉さん?
[こつこつ、とドアを叩いて声をかける。
返ってきたのは、なぁぁ、という低い猫の鳴き声だった。
茶猫がいる、という事は、と思い、入るよ、と声をかけてから中に入り]
…………。
[泣き疲れて眠りに落ちた、とわかる様子に、僅か、目を伏せた]