正しくなんてなくていい。 でも───…[一度黒い瞳を伏せた。強く、アーベルの残した刃の柄を握り締める] 変えられないなら、 ────私が、変える。[再び上げた目に迷いの色はない。腕を引いた。そして身体ごと突き当たる勢いで、修道女の胸に───慈愛深き聖母の胸へと、スティレットを、慈悲の異名持つ短剣を突き立てた]