[自己紹介はとてもありがたいもので、あぁ、そんな名前だっけと理解する。が、それより前の美人という言葉に、向けた笑みが思わず崩れたのはしょうもない話。吹き出すのは免れたけれども、視線はもちろん隣へやって]良かったじゃないか。美人だって。エルザ。[声は残念なことに、笑いのせいで震えてしまった。でも名前ははっきりと発音する。文句を言われるより先に、アーベルとブリジットへと視線を戻して]こっちはエルザね。僕はゲルダ・エーベルヴァイン。どうぞよろしく。