[頬にガーゼを貼るならともかく、包帯を巻くのは、不鮮明な視界では骨が折れた。二度三度と失敗を繰り返しつつ、手当てを済ませる。言葉は、交わされない。身体の傷自体は、大した事はなさそうだった]とりあえず、何か、飲む?一応、紅茶の準備はしているけれど。[蒼の瞳を覗き込み、問いかける。けれど、返事はなくて――]……アーベル?[その身体が傾いだ]