─道─
[エーリッヒと歩く時間は、ゆるやかに流れる。師匠の話、洞窟の話。暗い中に棲むトカゲの話。"時間"の話。──"星"の話。]
師匠が言うには、洞窟の天井に、淡いひかりが、
たくさんたくさんたくさん灯ったようなのだと言う。
[歩きながら、上に手を伸ばし]
そして、それは、どれほど高くのぼっても、
まださらに上にあるのだと。
エーリ兄が描く絵なら。
そのようなものを──ボクでも手にできるだろうか。
[洞窟の中では見えぬものを語る間は歩が緩み、ユリアンの家に辿りつくに掛かる時間は長い──それに気づいて、時間の短縮の為に、ミハエルが駆け出すまでにも、相当の時間を食った。]