―広間―
[受け取ってもらえないなら、その傍に置くことにしようか。
何にせよ、器は二つ。もちろんもう一つは、クレメンスへと渡した]
僕は、ちょっと湯を浴びてきたいから、飲んでて。
ミルクも悪くなってしまう前に飲まないとね。
[そんなことを言って、厨房にお盆を置きに戻ろうとする。
ちょうどエルゼリートが降りてきての問いには、叫び声でも起きなかったんだなぁ、なんてなんとも言えない目をしたかもしれない。
が、エーリッヒに言わせるのも駄目だ。クレメンスはエーリッヒについていてほしい、と思えば、とりあえず階段の方へと近づいて、声を落として告げた]
団長さんが、死んだ。……殺されたんだろう。
[声は抑えたとはいえ、室内ならば届いてしまうだろう。一度エーリッヒの方を気にした。
それ以上にエルゼリートが気にするようなら、「僕の部屋の真下だよ」と、それだけは告げることだろう*
それから、自分は厨房へと盆を片付けに戻ることにする。片付けを終えたら、そのまま浴室へと向かうつもりで**]