─ 森のどこか ─
『えー、ほんと? ほんとにそう思う?
……あっちじゃ、わりとありふれた扱いされるんよねぇ、ぼく』
[不思議、という評価に黒猫妖精、嬉しそうににへらぁ、と笑った]
まー、実際にこうやってそっから来たのがいるんだから、御伽噺っつわれても困るんだけど。
……魔道書とか、その辺りはどこも同じなんだなあ。
[そこはこちらも変わらないから、妙に納得したように頷いて]
しょーじき、何がどうしてどーなったかはわかんねぇけど。
とりあえず、オレの生きてた世界が、こっちの世界とぶつかったかなんかした弾みで、こっちに転がり込んだ、って感じなんだろーなぁ。
[考えられる可能性は幾つかあるが、ソレを説明するのは色々と面倒だった。
何せ占術のあれこれやら、因果律と可能性の話にまで派生しかねない。
そんなん真面目にやってたら、何日かかるかわからないから]