─ 第二別館・演習場 ─
……て、陽光のかよ。
いや、慣れてない、とはいわんけど。
[相手の名乗りに、最初に浮かんだのは、それ。
とはいえすぐに居住まいを正し]
占星術師のライヒアルト・シュヴァルツェリヒト。
影輝学科の卒業生だが、縁あって実習参加する事になった。
[本来肩書きを端折って名乗り、礼を返す]
さて……それじゃあ、一勝負、お相手願うか。
……猛る疾風、刃となりて、駆け行け……疾風刃!
[ごく軽い口調で言った後、白いカードの角で指先を引き裂く。
溢れた紅で素早く風のルーンを描き、投げつける。
真白のカードは翠の光とともに砕け散り、風の刃となって真っ向からヴィリーへと飛んだ]