─ オトフ家→宿 ─
[1階を見て、2階を見て、特に書斎は床に落ちた書きかけの紙など踏みつけたりもしながら、部屋は全てチェックした。
オトフリートが絶妙に積んでいた本の大半は振動でか倒れており、おそらくは今までで一番酷い有様で。以前しっかり片付けた形跡が欠片として見あたらない、変わり果てた姿に、怒りは通り越してそろそろ嘆きが出てきた。
だったらほっとけばいいという話なのだが、そもそもそれが出来ていればこうも嘆きも苦労もしない。
暫く混沌の中に佇んだ後に、宿へと向かう。
目的の人物が見つかると、すごく、いい笑顔を浮かべた。]