……家族に会わせてあげらんないのが、唯一申し訳ないっちゃそうなんだけど。
現実問題として、橋の復旧まで置いとくってわけにも行かないしねぇ……。
[一時的に雪の中に埋めておくという手もなくはないが、それこそ野生の獣を引き寄せかねない。
それに、そのやり方では遺体検分をされて話がややこしくなる。
となれば結局、ちゃんと埋葬する以外の手はないわけで。
丁寧に整え直し、しっかりと布で包んだ亡骸を、土の下へと眠らせる]
……ま、なんだ。
謝りはしない。
それやると、自分の全否定になっちまうからね。
ただ……この『場』の出来事に囚われずに、逝ける事。
それだけは、祈らせて。
[短く紡いだ後、唱えるのは弔いのための聖句。
幼い頃に見出され、ずっとその中で生きてきたから。
教会と言う組織の暗部に思う所はあれど、信仰の念、それ自体は消えてはいなかった]