[それから。
橋が修復されてやって来た自衛団と、彼らと共にやって来た教会の使者を出迎えた。
悪天候で飢えた獣たちに襲われ、管理人を始めとした面々が命を落とした、という説明はさすがにざめわきを呼び。
特に、教会からの使者は、本当なのかと食い下がって来たが]
ええ、ここには『ひと』しかいませんでしたから。
……それとも、『監査官』たる俺の言葉を疑うとでも?
[にっこり笑って、見せるのは小さな指輪。
刻まれた紋章は、青年の教会における立場を示すもの]
それ、『彼の方』への不信と取られても、文句は言えませんよ?
[笑みのままに重ねた言葉に、使者は引き下がり。
結局は、こちらの主張を全面的に押し通す事に成功した。
事情を把握していない自衛団の面々はぽかん、としていたが、そこは構う事はなく。
その後、犠牲となった面々の遺族への説明にちょっと苦心したりもしたが、どうにか、今回の事は『不幸が重なった末の事故』として、治まりがついていた。**]