─ 宿→自宅 ─
あー、いいんですよー、気にせずに。
むしろ、連れまわしちゃって、すみませんでした。
うん、じゃあまたねー。
[親子を見るフォルカーの様子には、気づく事無く。
何度も礼を言う母と、ばいばい、と手を振る子供、それぞれに返しながらひらひらと手を振る。
二人が行ってしまった後は、少し物思う様子で、カウンターに肘をついていた──のだが]
……っ!?
[宿に入ってきた友の姿>>184に、先に感じた嫌な予感が裏付けられるのを感じる。
向けられたいい笑顔と、普段であればまずつけられることのない『くん』呼びに、反射的にくるり、と身を翻し]