―雑貨屋―
[妊婦の腹に触ると幸せに、というのはげん担ぎや迷信に近い話だが、
実際にゲルダの顔を見ていると、嘘じゃないんだな、と思う。
ゲルダが手に触れている間、お腹の子供はここにいるよと自分の存在を主張し続けた。
幸せだねといわれると、嬉しそうに微笑んだ。]
そう言ってもらえると嬉しいな。
そうだね、早く元気に生まれて欲しい。
[まだまだ時間はかかるけれど、どうか無事にと切に願う。
差し出された白い布を受け取ろうと手を伸ばすと、代金はいいと告げられて。]
……いいの?
[一度、少し迷うように夫を見上げたが。
折角だからと後押しされれば、こくりと頷きゲルダから白い布を受け取った。]
ありがとう、ゲルダちゃん。