伸ばした挙句にっ……。相手を滅ぼすだけだろうがっ![言いつつ、風を引き戻す。制御が上手く行かない。不安定な自分自身に、苛立ちが募る]誰が……少なくとも、俺は、餌になるためにここにいるんじゃない![カバーが落とされたナイフの煌めきに、苛立たしげに叫びつつ、一度後ろに飛びずさり距離を取る。白の胴着と、黒の袴が取り巻く風に揺らめく中、片膝をつき、いつでも飛び出せる姿勢で待ち構え]