― 翌朝 / 坑道内 ―……そうか。起きてしまったか。[坑道内を巡回した団員が見つけたのは、全身を牙で引き裂かれ、頭を踏み抜かれて絶命している旅人の骸だった。駆けつけた団長は、周囲に残された明らかに人のものではない足跡を睨みつけながら新しく指示を出した]昨日話した11名を宿に集めるように。起きた以上は最低限の犠牲で収めねばならん。どこまで出来るかは分からんがな。[元結社員といえども取り仕切る位置に立ったことはなかった。探す力が弱まった後に印を得て。長く噂からも離れていたのに]