―回想/雑貨屋―
提示してもらった金額に合った材料、使ってるよ?
[置いた品へ対するゲルダの言葉に、どこかキョトンとした表情をゼルギウスは浮かべた。
ややあって、嗚呼と、吐息と共に微笑を浮かべたのは、作品に対する賛辞と気がついたことと、ゲルダの手が妻の腹部に優しく触れる光景に。]
きっと、ゲルダさんのこと分かってると思う。
私が触れても、反応してくれるし。
イレーネに似て、賢い子なんだよ。
それに、こうして周りにも幸せをくれる、とても良い子なんだ。
[謙遜という言葉を知らないのか。
尽きること知らぬ泉のように、湧き出るのは愛情の言葉。]