ん。折角だからお言葉に甘えようか。
[愛情の言葉のままの眼差しを、布を無償で受け取ってもよいか尋ねる妻の眸に合わせ頷く。
返しのような頷きを紅細めて見、視線は布をやり取りする2人へ平等に。]
えぇっとね……―――
[無償で布を受け取っても良いと後押しした時より、何か店に貢献するつもりがあった。
妻の言葉を受けて、キョロキョロと視線を彷徨わせ]
あ、日傘買おうよ。日傘。
家にあるの、少しガタきてたし、帰る時にもさせるから。
[窓からの日差しに思い立ち、ぱっとゲルダを見詰める。
「良い日傘ない?」と物言わずとも、眼差しが語る。
その背後で、妻の独り語と、風の啼く音を*聴いた*]