[小気味よい言葉を返す青年に頷き、残りの作業を任せる。 自身は約束通り渡された果実を手に一度小屋に戻った。] ……よく熟しているな。[一口齧り、目を細める。 赤の実は一人暮らしの男に十分な数だった。途中で減っていても尚、その好意を示す量に小さく苦笑を零した程に。] 覚えも手際もいい。いいヤツ、なんだが。 ………少し優しすぎる。残念だ。[疾風の可愛がり様を思い出し、小さく呟く。 弟子にしたくとも、あの優しさは獣を狩る生業には向かないだろうと。]