―館二階・ゼルギウスの部屋前―
[こっちの方に向かって唸るエーリッヒに、イヴァンの声のようなものが扉の向こうから聞こえてくる。
何を言っているかわからないが、怒鳴るようなそんな感じだった。
ゲルダが迷うようにしていて、自分もそんな状態に少しわたわたと。
ゼルギウスの手を握る力が少し強まったかもしれない]
ゼル〜……?
[その様子には困ったような色をまとい、ゼルのほうを見ていた。
手を解かれて皆に見せる火傷の痕、危害を加えられたのはと、ゼルギウスの言ってる言葉に自分は嘘を感じなかった。
なので彼を疑いその傍から離れるようなこともしなかった]