ならば覚えておくといい。
――女を怒らせると怖いものだぞ?
[弾かれた鋏が地面に突き刺さるのを横目で見ながら、握った鋏を突き立てるように振り下ろす。
相手が飛び退いたことで、それは肩を掠めるに留まった]
ふん。避けたか。
面白くないな。
[僅かに鼻を鳴らして言いつつ、距離を空けた相手――その背後にちらりと眼を向ける。
そこに最初に投げた縫い針が4本、間隔を空けて刺さったままなのを確認し。
手許に残った鋏を、相手を狙うでもなく、自分から程近い地面に突き刺さるように投げた]
――Stickereifaden.
[空いた手には、代わりに色とりどりの刺繍糸が現れる]