―中央ビル・一階―
『いってて……あー親分が言い出したスラムだかどっかの一斉大掃除の時だっけ?
適当な名前ついてたくせに、どぎつい内容だったよネ。
掃除しつつ暗殺しつつ情報操作して跡形もなく痕跡残しとか、俺ずーっと向こうのマザーPCと繋ぎっぱなしでもー大変だったワ。』
……そのお前のお守りのせいで俺は戦闘に参加できなかったわけだが。
『しゃーないジャン、あんなの並のハッカーがウン人かかったって終わらないヨ。
俺だったら休憩いらないから構いっぱなしで問題ないしー。
まぁほら、人手不足だから鴉の兄さんとか他にもちらほら手ぇ借りたわけじゃン。』
[世間話のように語る半年前の事柄に、飾り紐が楽しげにゆらゆら揺られた。主は逆に、思い出せば出すほど不機嫌になるようだったが。
暫く不機嫌なまま、会話には殆ど口を挟まなかったが、ふいに問われた内容にはようやく。]