─アコルデ家・台所─
[すぐに届いたメールの内容は、ジョエルからの了解の旨を伝えるものだった。
それを確認すると、ふとその前に未読メールがあるのに気づく。]
やだ、他にもメール来てたんだ。
[それにすら気づけないほど意識が削がれていたのかと、思えば若干眉がよる。
頬に手を沿え、二人が来る前に手早く中を開けて読んだ。]
……旦那様。
[そこにはジョエルに飛ばされたものとほぼ同じ内容のメールが届いていた。
読み終えれば目を伏せて。]
旦那様、私。
ご恩は忘れておりませんから…。
[それ以上の言葉は、*出そうに無かった。*]