[>>155彷徨う視線を。その答えまでの空白を。真っ直ぐに見詰めた。 やがてはっきりと告げられた言葉を、静かに聞いて――。 ほんの少しだけ、笑うことができた。] 望めば、か――。[望む、とはやはりはっきり口にしないまま。 それでも金色の髪へと誘う手が、言葉の代わりにそう告げていた。 こうして、イヴァンの手が髪に触れるのを、髪を梳かれるのを。 丁寧な仕草から微かに伝う感覚で、確かに知った。]