音色? 音色って……。
[思い当たるのは、もう一人の拠り代。
どこか何故か、馴染みきれなかった長姉を思い起こさせて、そこに苦手意識を感じていた相手。
そう言えば、自分はなんで長姉が、そして彼女が苦手だったのか──と。
一瞬、そんな疑問に囚われたのがまずかったのか]
……くっ!?
[足に向けて放たれた蹴りに気づくのが遅れ、衝撃が態勢を崩す]
……やばっ……。
[同時に崩れた力の均衡、それを正す事に意識を集中したため、そのまま後ろに倒れるものの。
ぎりぎりで制御を取り戻した風で障壁を作り、態勢を整えるための時間を稼ごうと試みる]