―回想/医務室へ到るまで―[盲目の少女を抱え上げたにしろ、少女が自力で降りるにしろ、その歩みは慎重故に、遅いものだったろう。下る途中でダーヴィッドが傍を降りていったか。辿り着いた場所。丁度カルメンがナイフを振りかざした瞬間。] ベアトリーチェさんっ。[抱えていたなら護るように強く抱きしめて、彼女が歩んでいたなら引き止めるように抱き寄せる。ノーラも傍に居たなら、目配せで後ろにと促して。]