― 夜の広場 ―
[光の中に一瞬人影が映った気がしたが、飛行しているらしいそれは光の直撃を回避した様子だった。
代わりに落っこちて来たのは]
……犬?
[小さく首を傾げていると、先程回避した人影が降下してくるのが見えた]
なんだかよくわからないけれど――
魔力を持った者に、ここを通過させる訳にはいかないわ。
[両手の親指と人差し指同士を触れさせ、輪を作る。
その輪の内側に淡く光る円盤が現れ、両腕を広げる動きに合わせて拡大した]
――去りなさい!
[光の円盤を乗せ構えた右手を、滑らせるように振り抜く。
お盆ほどの大きさとなった円盤は、降下する人影の髪付近を目掛け、警告の如く飛んでいった]