[ゲルダにも喉を心配するような視線を向けたのは、去り際に聞いたオトフリートの症状が進んでいると知ったから。] 一先ず、お嬢様方の治療をしましょうか。[穏やかな口調で次に眼差しを向けるのは、ベアトリーチェとノーラにか。消毒は――薬品庫に一番製造年月日が新しいものを並べてみたけれど、それが使えるものかは分からないから。とりあえずは、患部を清潔にと、水で洗うことを促す。] ―――…。[そう促し終えると、視界に改めて石化した老人を映す。少し目を伏せて、黙祷を捧げた。]―回想/了―