─集会場・広間─
[一人、また一人と人の増える集会場。
知った声もあれば知らない声もあって、カルメンは首を傾げて挨拶代わりとする。
その視線の焦点は全く人物に合わないのだけれど]
んー……。
[初見の者でも名乗られたなら、別の音が混じりつつも名を反芻し、普段自分を指す時に使う名を名乗ることだろう]
[しばらく後にクロエの手を借り窓辺まで移動して。
オカリナを取り出して口へと当てた。
奏でるのは穏やかな水の流れをイメージした曲。
幼い頃に見た河の流れを思い出しながら奏でるそれは、広間だけでなく窓の外にも流れ行く]