[伝承に出てくる能力者を信じたとして。どうすればいいのか分からない。守りたくても、庇うくらいしかできないだろうし。それでどうにか出来るなんて自分が信じられない。今もまだ持っているのは武器ですらないペン一本。着替えを入れても鞄一つで済む私物は、とても少なかった。ぼんやりと考えながら床の紅を薄くしていった]