(貴族ってものがめんどくせぇものだってのは俺だって分からぁ。 何が落とし穴になるか分からねぇってのに、何考えてんだか)[家族が失われたことを憐れに思ったのか、他に意図があったのか。ミハエルを想ってのことだったかも知れないが、それをクレメンスが知る術は無い。与えられた機会を自らの手で放り投げたことに、ミハエルの父がどう思ったか。それもまた、クレメンスの知るところではなかった][追憶は数秒の間。ミハエルへ向けていた視線をつまみへと落とすと、また新しいものを手に取った]