─村の通り─[道を進むにつれて見えて来る修道院と、その前にある人影]御機嫌よう、ライヒアルト。うむ、本を返しに来たのだ。[軽く手を掲げて来るライヒアルトを見て、社交用の笑みを浮かべた。読み終えたのかと問われれば、肯定の頷きを返し]たまには専門書以外を読むのも良いものだな。なかなか面白かったぞ。[手にした本をライヒアルトに差し出しながら言葉を紡ぐ。借りたのはいくつかの伝承を纏めた伝奇物。不意に目に止まったものをそのまま借りたのだった]