─ →黒珊瑚亭 ─
[呼び出された全ての者が集まったのが確認された後、自衛団長が現れ口を開く。
集まった者の中にカヤの姿が見えると安堵の色を浮かべたが、それも自衛団長の話を耳にするとすぐさま消えてしまった]
……浜に、遺体、が?
[先程浜についてを聞いた時には聞けなかった話に、ナターリエは瞳を円くする。
死者が出たなら教会にも連絡が入るはずだが、神父から話が無かったことから、彼も聞いてはいないのだろう。
今まで隠匿されていたことに疑問を禁じえなかった。
その驚きが冷めやらぬ内に、更に衝撃的な言葉を耳にする]
人狼だなんて、そんな…!
[御伽噺の存在が実在すると言われ息を飲んだ。
戸惑いの感情が顔に表れる中、自衛団長の両手に刻まれた物を見せられ、痛ましさに円くしていた瞳を細め、眉を寄せる。
結社のことも知りようが無かったけれど、自衛団長が本気で言っていると言うのは見て取れた]