[席から立って、胸元から取り出した鏡を机の上に置く。服の袖をまくり、包帯と当て布を外して切った腕を見せる。]昨日、あの後。これを使ってアーベルを見定めた。──…アーベルは人間だ。[静かに宣言した後。]信じるか信じないかは、皆に任せる。[とす、と席についたが、身体も声も、微かに震えていた。]