― 厨房 ―[厨房の中へと足を踏み入れた。抱えてきた本は途中でテーブルの隅に置いて]やっぱり、カルメンさんの……[置かれたストールを傍まで来て見、持ち主の名を呟く。そろと手を伸ばしかけて、勝手口の扉が空く音>>205が聞こえて慌てて引っ込めた]あ、あ……ども。[振り返ると今しがた口にした名を持つ女性>>205がいる。年はそう離れていないが、綺麗なその人には昔から憧れていた。だから少しだけ緊張の面持ちで]