― 黒珊瑚亭 ―[>>193大人がわからないのに、子供がわかるはずもなく。そしてアーベルの吐露した気持ちも、子供にはやっぱり理解出来るものではなかった。]……よくわかんねー。[だからぽつりとそう返す。だが向けられた笑みには覚えがあって、そうだあれには、嬉しくて「そっかじゃあアベにーも人狼信じる仲間だな!」とか返したんじゃなかったかと子供は思い出す。>>16あの時、そういやアーベルは何と言っていたか。さらに思い出そうと眉根を寄せたから、アーベルがユリアンとどこか行くのに気づくのは大いに遅れた。]