[寄るアーベルに並んで座る。
伏せていた耳はややアーベルの方へと向いていた]
羅針盤が形見で視る為のもの、だったのか。
[それを事前に知っていてもきっと形見の品なら奪えない。
アーベルにとってそれは大切なものだと思うから
引き離すような行動は起こせないと知れる]
そ、か。
[ユーディットを視たという彼の言葉から推測できるのは
人狼を見つけるためでなく
視た者の無実を証明するために力を用いたのだろう事]
この姿、気にしてたのは俺だけかよ。
[む、とむくれたような声で呟くも
背に置かれた手が毛並み梳くに身を委ねる]