[真正面への蹴りは横飛びで避けられてしまう]
良い動きをする。
あの勢いで蹴りを躱すとは。
無手は私の好むスタイルの一つ。
他にも得物は使えるが、今回はこれで行かせてもらうぞ。
[紅い唇の両端を持ち上げる。
直後襲い来る鋭き一閃。
生身となれば受けは使えない。
蹴り込んだ足を軸足に揃え、下からの斬り上げに合わせ、バク転。
ギリギリの位置で切っ先を躱しながら後方へと飛び退る]
喰らえばひとたまりも無い。
が、そを恐れては攻勢にも出られぬ。
[着地と同時に鋭角に前方、蒼髪の青年の懐目掛け飛び込む。
その勢いに任せて肘を相手の鳩尾に合わせ打ち込もうと]