[溢れる赤に、手が止まりそうになる。直ぐに手を離して下がればよかったのに、生じた躊躇い故にそれは叶わず、気付いた時には刃が迫っていた]『―――やば、』[膝を曲げてしゃがみ、身体をバネにして相手の懐に潜り込むようにして、体当たりを仕掛ける。自ら一撃を受けに行く形にはなったが、刃は肩口を浅く切るに留まった]