[幾つもを抱えた、けれど言葉少なな其れを受け]
……俺は何か教えたつもりはないけれど、ね?
[にこり、笑って首を傾ぐ。
総てを明言せずに裏に含めての応酬、何も言っていない事にさせ続けるのは予防線]
強い力の持ち主同士なら色々と気付かれてしまうのだろう?
俺の力さえ辿るひとだからね……時間の問題ではあるかな。
[つ、と水宝玉は空をなぞり、森の方へと向かう。
少し見遣るだけで、続けられた問いに先ず視線だけを返した]
……少し、ね。
細かい事情は割愛するけれど、俺が手酷く怪我を負ってしまって。
俺には自然治癒しかできないからそのままの状態であの人のところに行ったら、ちょっと心配させすぎてしまった、というところさ。
[蝶との巡り合いの直後ではなく、その先を。
唯々、起きた出来事の語れる部分だけを掻い摘んで]