[ぼうっとしているうちに、話が終わっていた。
ふと気がつくと、部屋からは人が三々五々減っていて。
ダーヴィッドが、パソコンの所に行くと言う]
………あ。い 行く 行きます
[ふっと、手を上げた。
自分に何かが出来るとは思わなかったけど、彼には伝えたいことが、ある。横にいる、カルメンを見た]
か カルメン さん。
っさ きは、すみませ でした。
どうぞ、き 気にしないで、くださ い ね。
[彼女の表情が見えないのは不安で、緑を探しながら、そう声をかけた。彼女が、さっき名前に反応したから。だから、彼女の名前だけは、丁寧に意識を集中させて呼ぶ]
だい だいじょ、ぶ です。
だいじょぶ。治 みな、治り、ます。
だから、怖がらないで。だいじょぶ、ですよ。
[もっと色々伝えたいことがあった気がしたけれど、語彙が出てこない。あきらめて、励ますために彼女の肩に触れようと、そっと手を伸ばした]