本当に大丈夫?
痛みがひどくなってきたら無理しないで言ってね。
あ、そうだ。これ濡らしてくるから、それで冷やして。
何もやらないよりマシだから。
[そういうとポケットからハンカチを出して濡らしてこようと立ち上がり。
こちらを心配する声には、大丈夫だよ、と微笑んだ。]
これくらい、部活で慣れてるから平気。
じゃ、待っててね。
[演劇部の活動は演技だけと思いきや意外に体育会系で。
声量を上げる為の走り込みやらアクションの練習やらもしていた為打ち身擦り傷痣捻挫は日常茶飯事だった。
なので軽く身体を動かしてみれば大体の程度はわかった為に笑顔で答え。
夜寝る前に湿布は貼らなきゃダメかなーとは思ったがそれは言う必要もないこと。
手洗い場で手早く濡らしたハンカチを絞って戻る途中、金髪碧眼の女生徒と連れ立って歩く男子生徒とすれ違ったものの慌てていた為相手を見る余裕もなかった。]