…お前さんはどうする?アーベル。
[アーベルに真っ先に薬を投与しなかったのは、
先程の遣り取りが引っかかってたからかもしれず]
…これを使えば、症状は大分和らぐ。実証済みだ。
気休めじゃなくて、本当に完治する…可能性だ。
……それでも、薬を使うのは嫌か…?
元気になりゃあ、カメラを使ってまた…仕事だって。
[返答は返ってきたのだろうか。
拒まれたなら自分はまた無理にでも使うのだろうか。
「気休めなんて、いらない。」『どうせ…助からない。』
アーベルの言った言葉が、記憶と被る。
……そうだ、言ったのは確か―――エルだった。
そして…―――数度、大きく咳き込んで軋む音。]